トロフィーのデザインについて


 大勢の映画ファンみなさまからヨコハマ映画祭オリジナルトロフィーのデザインについてご質問をいただきましたので、デザイン変更の経緯等について説明いたします。
 
 第40回までは関玄(せきひろし)さんというイタリアトリエンナーレ展などで活躍された高名な彫刻家さんのデザインを使用してきました。受賞者みなさまから愛された素敵なデザインだったのですが、第41回の開催時にデザイン使用料の改定で折り合いがつかず、これ以上の費用負担の増加は映画祭の開催そのものを危うくしかねないとの判断から、泣く泣く手を引かざるを得ませんでした。そしてギリギリの時点で私がデザインコンセプトを提案してモデリングしてもらったのが現在のデザインです。第41回の公式パンフレットの編集後記に詳しい経緯を書かせていただいたものがありますので、ここに再録いたします。

 編集後記

 今回から顕彰オリジナルトロフィーのデザインが変わりました。この変更は、私が、この先の映画祭財政を考えたとき、いちばん重しになっている支出を抑えようと判断したことから取り組むこととなったものです。
 何しろこれまで40回開催中37回芸術家先生にデザインいただいたもので、受賞者のみなさまからご好評いただいたこともあってずっと同じモノを使い続けてきましたが、いくら何でも、スポンサーのない映画祭を続けるためには支出を抑える必要があっての変更であります。

 そんな思いから動き出し、私のアイデアにご賛同いただいたモデラート工房の佐川博文さんが具体的デザインとしてくれました。
 私のアイデアとは、大好きな世界的巨匠ヒッチコックの「めまい」(世界映画史上のベストワンとも謂われています)を意識し、映画撮影のキャメラアイ=“焦点”を「アンモナイト」の形状に求めたものです。

 タイトル「銘」は「Vertigo(ヴァーティゴゥ=めまい」。今までは、選ばれたあなたが「えらい!」とするトロフィーでしたが、今回からは、おこがましいのですが、「あなたが映画の現場で見つめられるキャメラ、と、劇場であなたと出会う映画ファンの視線」を一体として表現したいとしたデザインです。
 どのように受け止めていただけますか。どうかご理解いただきますよう。また、今後も支えてくださいますようお願い申し上げます。
(北見)


 このトロフィー「めまい」も第41回から3回続けて制作いたしましたので、みなさまの間で定着し愛していただけたら幸いでございます。

                               ヨコハマ映画祭実行委員長 北見秋満


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LAST UPDATE 2022/02/12