第26回ヨコハマ映画祭
上映作品紹介


 また1年がめぐり、ハマの冬の風物詩・日本映画の祭典ヨコハマ映画祭の季節ががやってまいりました。
 26回目の今回は気持ちも新たに、熱く熱く燃え上がります。

 祭りのメインイベントは、2004年に最高に輝いた映画人たちが勢揃いする個人賞表彰式。

 中島哲也監督作品「下妻物語」がグランプリ・監督賞・主演女優賞・助演女優賞・最優秀新人賞の5冠を獲得しました!

 映画上映は、「下妻物語」に加え、3冠受賞の矢口史靖監督作品「スウィングガールズ」、同じく3冠に輝く成島出監督作品「油断大敵」の3大傑作。

 2月6日は映画ファンのための「映画の日」。映画ファンは全員、横浜・関内ホールに集合だあ!!
スウィングガールズ     油断大敵     下妻物語


「スウィングガールズ」(105分)
 基本構造はもう何回見たか分からないくらいの、ダメ子ちゃんたちの敗者復活ドラマである。よっぽどおもしろい展開じゃないと勘弁しないぞと身構える、すれっからしの映画ファンの予測を小気味良く裏切っていくストーリ展開の妙。

 天才ヤグチの演出力は16人のガールズと1人のボーイをキラキラと輝かせて一糸の乱れもない。

 上野樹里をはじめとする役者陣は、演技のみならず楽器演奏もマスターして大健闘。山形弁が絶妙の味わいを醸した。オンナの子たちが生き生きしている映画はチョー気持ちいい。

 馬鹿馬鹿しいくらいの展開に爆笑・苦笑・失笑しているうちに、圧倒的なラストシーンがやってくる。練りに練られた脚本だ。

 クライマックスは映画館がライブ会場に。
 さあ、みんな一緒に“ジャズやるべ!”
(撮影賞・主演男優賞・助演女優賞受賞)
(脚本賞・撮影賞・最優秀新人賞)
【監督・脚本】矢口史靖
【撮影】柴主高秀
【音楽】ミッキー吉野、岸本ひろし
【出演】
 上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、豊島由佳梨、平岡祐太、竹中直人、白石美帆、小日向文世
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「油断大敵」(110分)
 こんな映画を見たかった!
 面白さにワクワクし、人生の哀しみに触れホロリとなる。これぞ究極のエンタテイメントをじっくりとご堪能いただこう。

 盗みの手口に誇りを賭けた泥棒(柄本明)を追い、いつしか犯罪捜査のプロに目覚める刑事(役所広司)、ふたりの間に生まれる奇妙な友情と負けじ魂を、当代随一の俳優による演技バトルで見せる、魅せる。

 男やもめの役所広司とひとり娘が成長していく姿に声援し、柄本明と小料理屋の女将、淡路恵子の抑制された心の通い合いに共感できるのも、最高のスタッフを結集し、一点一画を端正に描ききった監督・成島出の演出手腕によるものだ。

 いつまでも残る余韻に浸りつつ、待ちに待った新人監督の鮮烈でビューに拍手を送ろう。
(新人監督賞・主演男優賞・助演男優賞

【監督】成島出
【脚本】小松與志子、真辺克彦
【撮影】長沼六男
【出演】
 役所広司、柄本明、夏川結衣、菅野莉央、前田綾花、水橋研二、津川雅彦、奥田瑛司、淡路恵子
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「下妻物語」(102分)
 問答無用、文句なし、日本映画の歴史に燦然と輝くウルトラ超痛快ムービーが誕生した。
 ロリータとヤンキー、ボクらの周囲にいたら絶対友達になりたくない理解不可能なオンナの子ふたり。
 でも映画の進展につれて、このふたりに魅かれていき、いつの間にか頑張れ!頑張れ!と心の底から応援してしまっている自分に、観客は気付く。

 深田恭子・土屋アンナが最高のコンビ振りを示し、樹木希林以下のベテラン助演陣が練達のサポートで盛り上げる。

 茨城県の下妻や牛久の風物が絶妙の彩りを添え、中島哲也の演出はこの破天荒な物語を得て、冴えに冴えわたる。

 火傷しそうなくらい熱い炎の映画。

 こんな奇跡的な映画が出てくるんだから、映画ファンはやめられねえや、としみじみとした幸福感に包まれるぞ。

(作品賞・監督賞・主演女優賞・助演女優賞・最優秀新人賞)
【監督・脚本】中島哲也
【原作】嶽本野ばら
【撮影】阿藤正一
【美術】桑島十和子
【出演】
 深田恭子、土屋アンナ、樹木希林、宮迫博之、篠原涼子
阿部サダヲ、岡田義徳、小池栄子、
荒川良々
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LAST UPDATE 2004/12/23