第25回ヨコハマ映画祭
上映作品紹介


 お待たせしました!ハマの冬の風物詩、日本映画の祭典、25回目となるヨコハマ映画祭です。
 今回も、ヨコハマは熱く熱く燃え上がります。

 もちろん祭りのメインイベントは、2003年に最高に輝いた映画人たちが勢揃いする個人賞表彰式。

 廣木隆一監督作品「ヴァイブレータ」がグランプリ・監督賞・脚本賞・主演女優賞・助演男優賞を獲得しました!

 映画上映は、「ヴァイブレータ」に加え、撮影賞・主演男優賞・助演女優賞を3冠獲得の松岡錠司監督作品「さよなら、クロ」、新人監督賞・最優秀新人賞と2冠に輝く西川美和監督作品「蛇イチゴ」の3本。

 また、今回は25周年を記念するセレモニーを行います。

 2月1日は映画ファンのための「映画の日」。みんな!横浜・関内ホールに集合!!
「さよなら、クロ」     蛇イチゴ     ヴァイブレータ


「さよなら、クロ」(109分)
 どんな素材に挑んでも、必ず自らのテーマを刻印して見せる松岡錠司監督と、今がまさに旬の若手ナンバーワン俳優、妻夫木聡が出会うべくして出会った、必見の感動作。

 昭和40年代、長野県のとある進学高校に住みついた、クロと呼ばれる愛くるしい犬。

 誰からも愛されたクロと、その時代をひたむきに生きた人間模様を、みずみずしいタッチで切り取り、いつまでも消え去ることのない青春の一ページを鮮やかによみがえらせた。

 時にはクロの目となりひとの心のひだに分け入る笠松キャメラマンの視点には、映画の神様が宿っており、カラー映画の原点に回帰した色の表現には、うっとりするしかない。

 そして感動は映画のラストシーンに向かって、一本道でつながっていく。けっしてセンチメンタルに流されない妻夫木聡の未来を信じて歩き出した輝きを、みなさんと一緒に祝福したい。
(撮影賞・主演男優賞・助演女優賞受賞)

【監督】松岡錠司
【脚本】
 松岡錠司、平松恵美子、石川勝己
【撮影】笠松則道
【出演】
 妻夫木聡、伊藤歩、余貴美子、田辺誠一、新井造文、金井勇太、渡辺美佐子、井川比佐志
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「蛇イチゴ」(108分)
 2003年を、われわれば類い稀なる天才女性監督誕生を目撃した年として、長く記憶に残すだろう・・・。

 平凡で幸せに見えた家族、だが祖父が死に、行方不明だった長男が、舞い戻ってきたことから、家族の絆は、ガラガラと音を立てて崩れていく。

 その様を、毒気とユーモアがない交ぜになった精緻な脚本と圧倒的な演出力で、人間たちとその人生の機微を、見事に見せる。

 これが、20代の若き女性監督の手によるものとは、どうしても信じられない!

 そして、圧巻のラストシーン、タイトルの意味を知り観客は深い感慨に、身を委ねるのだ。

 宮迫博之を筆頭に、俳優人の好演快演名演にも、大注目だ!
(新人監督賞・最優秀新人賞)

【監督・脚本】西川美和
【プロデューサー】是枝裕和
【撮影】山本英夫
【出演】
 宮迫博之、つみきみほ、大谷直子、平泉成、寺島進、手塚とおる、笑福亭松之助
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「ヴァイブレータ」(95分)
 「あたし、あなたにさわりたい。」

 幻聴に悩まされ、拒食と過食を繰り返すルポライター(寺島しのぶ)と、金髪の長距離トラック運転手(大森南朋)。

 夜のコンビニで、行きずりの男と女が出会って別れるまでの72時間の旅を、切々と描いた、まったく新しいラブシネマが誕生した。

 車窓を流れる風景にダブらせ、互いの今を語り合い、肌を求める姿から、現代人のさすらう愛を浮き彫りにする。

 ナレーションと字幕を効果的に使い分け、鮮やかにおんなの肉声を実感させる脚本の見事さ。狭いトラック内の空間と、ひろがりのある外の景色とを交錯させる演出の緻密さ。

 どこをとっても職人芸の技が冴え、忘れることのできない温もりを残す。

 日本映画最高の到達点を示す秀作を、心ゆくまで味わっていただこう。
R-15指定。
 ※15際未満の方はご覧になれません。

(作品賞・監督賞・脚本賞・主演女優賞・助演男優賞受賞)

【監督】廣木隆一
【原作】赤坂真理
【脚本】荒井晴彦
【撮影】鈴木一博
【出演】
 寺島しのぶ、大森南朋、田口トモロヲ、牧瀬理穂
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LAST UPDATE 2004/01/01